馬医

韓国ドラマ「馬医」の視聴が終わった。

両班の息子に生まれながら、出生時に親が事件に巻き込まれたことで、賤民の子として育ち、馬医を経て、医者になり、最後は自分の本来の身分を取り戻す、サクセスストーリー。

主演のチョ・スンウは、ほとんどドラマでお目にかからない役者だったけど、本当にいい役者だと思う。これと言った特徴が無いけど、よく見ると鼻筋が通った整った顔で、とても自然な演技。すばらしかった。
相手役のイ・ヨウォンも、かわいらしくしっかりした役がぴったりはまった適役で、相性もばっちり。
全体を通して、なんとなく「歴史もの」を見ている感じがしなかったし、設定された時代の価値観だと、そうは考えないよね、と思ってしまうような現代的価値観で作られている面もあったけれど、かわいらしく上品で、心温まる作品だった。

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大王の道

韓国ドラマ「大王の道」の視聴が終わった。
1998年のドラマなので、画面のサイズも昔の大きさだし、画質も粗いけど、正統派の時代劇だった。
主役は、英祖なのか思悼世子(サドセジャ)なのか、ビミョウだったけれど、いずれにせよ、この親子の葛藤を描いているので、どちらがメインとは言えないのかもしれない。
途中でちょろっと出てきて、ドラマの中で重要な役割なのかと思って見ていたらそれっきり消えてしまった役もいくつもあるし、ユン・ソナが演じた実にイヤな女な英祖の側室や、知らないオジサン役者が演じていた悪の黒幕キム・サンノ(重臣)とかが、結局野放しのまま(?)世子が最期を迎えてしまって、最後に誰かが代わりに懲らしめるでなし、悪がガッハガッハと勝ち名乗りをするわけでなし、なんだかすっきりしない後味な分だけ、ちょっと脚本が残念だけど、私が見た同時代を描いたドラマの中で、世子が米櫃の中に入れられる過程や、米櫃の中の8日間の世子の様子を、一番細かく描いていたドラマだったと思う。
世子の妃を演じたホン・リナが、賢く落着きがあって上品で、すてきだった。

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華政

韓国ドラマ「華政」を見終わった。
宣祖の嫡出の王女、貞明公主の目から見た光海君と仁祖の二代の王の時代が舞台。
前半の光海君の時代は、かなりフィクションの部分が多くて、貞明公主が日本に来て硫黄職人になったり、通信使の随員として来日したホン・ジュウォンと出会い、朝鮮に戻ったりとドラマチックな展開。
仁祖反正の後の仁祖の時代になると、貞明公主は結婚して朝鮮に落着き、おじさん俳優たちによる丁々発止の政争が中心になった。
前半の日本でのシーンは、太秦の映画村を中心とした京都ロケだったらしい。韓国ドラマにしては、比較的きちんと「江戸」を表現していたと思うけれど、若干「時代」考証が足りなかったかも。ドラマの時代は、安土桃山から江戸初期にかけてにあたると思うので、どう見ても江戸中期以降の服装や髪形だったのが、ちょっと惜しかった。
仁祖を演じたキム・ジェウォン。初の「悪役」、なかなかよく演じていたけれど、あまりにも人間的に弱く情けない人物だったので、ちょっと哀しかった。もっとも、最期にすばらしい見せ場があったので、情けなさは、ドラマを見終わった時点で帳消しになっていたけれど。
ドラマ全体をぐいぐい引っ張っていたのは、おバカな王さまを影であやつり権力をほしいままにする腹黒おやじたち。こちらも、ワルはワルなりの一貫したスジを最後まで通した姿勢が丁寧に描かれた脚本、堂々たる演技が、ある意味カッコよくて、思わずホレそうになった。
久しぶりのテレビドラマだったスンヒョくんにも、予想外の見せ場があった。職務と「王命」に忠実なその姿、あっぱれ。

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太陽を抱く月

韓国ドラマ「太陽を抱く月」を見終わった。
イ・フォンを演じた二人がすばらしい。特に、子役のヨ・ジングくんの存在感がすばらしかった。
ストーリー自体は、架空の設定(一応、朝鮮王朝時代ではあるけれど)だということもあり、最後のオチが、一種のハッピーエンドで都合よくまとまった感じもあり、時代劇らしい重みは少々足りなかった感じがする。
王様のお付き役(内官)の人のコミカルな演技が楽しかった。

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秘密の扉

韓国ドラマ「秘密の扉」を見終わった。
ハン・ソッキュの英祖は、耳をほじったり、人間くさくて、その人間くさすぎるとことが、最初のうちはとにかく気になっていたけれど、だんだん話がすすむにつれて見慣れてきたのと、主演の思悼世子を演じたイ・ジェフンが若い頃の(少年隊の)ヒガシみたいに、知的で爽やかでカッコよくて、惹き込まれて最後まで見てしまった。
ストーリー的には、前半と後半で二つに分かれてしまった感じがする。前半の推理小説を読み解くようなストーリー展開と、後半の親子の心の気持ちを中心に描いた展開とが、一つのドラマとしては一貫性がなかったかも。おそらくその原因はキム・ユジョンの演じた役で、キム・ユジョンはまだ少女なのに、とても演技達者なので、彼女が演じた前半はとてもよかったけれど、大人の役者に交代した後半は、役の重要性が消えていってしまったように思う。その点が残念だけど、変な恋愛要素がない分だけ、見応えのある重厚なドラマではあった

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必殺!最強チル

韓国ドラマ「必殺!最強チル」を見終わった。
日本の「必殺シリーズ」のリメイク的なもののようだけど、基本的に1話完結のオムニバス形式の日本の「必殺シリーズ」とは違って、全20話がつながった一つの話になっていたし、人物設定も同じというわけではないので、ちょっと影響を受けた別のものと思った方がよさそう。
主演は神話のエリック。歌手出身とか言っては申し訳ない、オトナで演技達者なところがいい。養父が「ムコ殿」で、養母とその母の尻に敷かれている設定は日本のオリジナルの設定にならったのだろうけれど、朝鮮王朝時代の庶民としては、こういう家族関係はあったのだろうか?
エリックが演じたチルの幼馴染で、再会したら敵の立場になっていたフクサン役のユ・アインは、この作品で初めてみたけれど、とてもよかった。ものすごく美男子というわけではないけれど、若いのにすごい存在感。次に別の作品で見るのが楽しみ。
ラストが、普通に状況を考えると、「刺客」の3人は敵の部下たちに取り囲まれていて、絶対絶命、逃れるすべはなさそうに思われるけれど、それに続くエンディングの映像で、チルはあくびをしながら羅将のお勤め中、ミン史官はやっと手に入れた失われていた史書のページをもとに戻していて、ジャジャは鍛錬中、フクサンは父親と一つ屋根の下穏やかな暮らしをしているといったハッピーエンディングを思わせるものだったので、絶体絶命の後のことは、視聴者個々の解釈にゆだねる作りなのかなと思った。エンディングのようになればいいなと思った。

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ジャイアント

韓国ドラマ「ジャイアント」の視聴終了。
1970年代の江南地区の開発の中、建設業界で地位を築き、親の仇をうつ男の一代記で、骨太でとてもよくできた、見ごたえのある「男のドラマ」だった。
主役のガンモの子役、ヨ・ジングくんの演技がすばらしい。大人になった後のイ・ボムスは、この作品で初めて見る役者だったけれど、こちらもいい演技だった。いわゆるイケメンの若い俳優さんは、ガンモのライバルかつ親の仇の息子で、ガンモの妹のミジュと恋仲になってしまう、チョ・ミヌを演じたチュ・サンウクくらいで、あとは演技派の脇役と重量級のおじさまたち。恋愛要素の非常に少ないドラマで、ガンモとジョンヨンの間も、恋というよりは、月日を重ねてはぐくんだ愛、という感じだったところが、私には好ましかったけれど、恋愛ドラマ好きな人には、あまり向いていない作品だったかも。
この作品で私が一番好きだったのは、ソンモ兄ちゃん。演じたパク・サンミンは「武神」「スキャンダル」で見たことがあったけれど、その時には特にどうとも思わなかったし、全然イケメンではないのに、弟妹思いのソンモ兄ちゃんがとてもステキで、ドラマの後半はかなり思い入れして見ていて、最後はあまりに不憫で、さんざん泣かされた。
そして。悪役だったにも関わらずこの作品で演技大賞を受賞したチョン・ボソクさんの、極悪非道なチョ・ピリョンは、それはそれは恐ろしく、圧巻の演技だった。

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我が愛しの蝶々夫人

韓国ドラマ「我が愛しの蝶々夫人」を見終わった。
出生の秘密あり、交通事故あり、記憶喪失ありの、「ザ・韓国ドラマ」という感じの設定だったけれど、トップスターで高慢な女だったナム・ナビが、様々な困難をサバサバとたくましく乗り越えながら人間的にも成長していく姿がとても小気味よく、テンポよく楽しく見れたドラマだった。
ナビは誰かに頼ることなく、何事もたくましく自分で解決していく女性だけど、必ず側にいて見守っていてくれて、困ったらタイミングよくカッコよく手助けしてくれる、社会的地位も金もある王子様な役どころのイ・ウジェをパク・ヨンウさんが演じていて、ヨンウファンには宝物のような作品になったのではないかと思う。冒頭では、ちょっとくたびれたオジサンに見えたのに、ドラマが進むにつれてどんどんカッコよく見えてくるのが、ちょっと不思議な感覚。器が大きくて、小さなことでは動じないし、大人の対応をしてくれるし、頼りになるし。ウジェ王子、最高。
ちょっと可笑しかったのは、ナビがウジェ王子にプロポーズしたこと。世間一般は逆だろうと思うけれど、ナム・ナビとウジェ王子のカップルでは、違和感がなかったのが不思議。
脇役の人たちも、みんなそれぞれに上手でよかった。特に、ドラマの髄所随所で「家政婦は見た」ならぬ「叔母さんは見た」「叔母さんは聞いた」状態で、ウジェの社長就任をあの手この手で阻もうとする人なのに、どこか憎めない、ウジェの叔母さんが好きだった。

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再び

ふと、「済衆院」を見たくなって、DVDを引っ張り出してきたら、うっかりハマってしまった。
そのまま、パク・ヨンウさんつながりで、「折鶴」やらあれやこれや、私が持っているパク・ヨンウさんが出ているあれもこれも見ていたら、いつの間にかパク・ヨンウ祭りに突入。「我が愛しの蝶々夫人」で不二家のペコちゃん(舌は出ていないからポコちゃんかも…)のような顔で笑うウジェ王子なヨンウさんに、只今夢中。

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スキャンダル

韓国ドラマ「スキャンダル」の視聴が終わった。
私にとって、久々の「泣きドラマ」だった。
自分を育ててくれた父親は、自分を誘拐した犯人で、実の父親は育ての父親の実子を死に追いやった悪人、ということを知った息子の葛藤と親子の情をテーマに扱った作品で、丁寧に破綻のない良い脚本と、演技達者な役者で、とても良かった。
三度も事故で病院に担ぎ込まれながら、短い期間で治って元気に動き回るウンジュンとか、余命3か月の末期がん患者なのに、妙に元気なミョングンとか、ツッコミどころも沢山あったけれど、そこらへんはまあともかく。
育ての父ミョングンの最期のシーンが、とてもよかった。
そして、主役のウンジュンを演じたキム・ジェウォンの演技が光っていた。キラースマイルを使わなくても、確かな役作りと安定感のある演技力があるから、セリフがないシーンも、とてもよくて、惹き込まれて見てしまった。

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