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同姓同名の人

ありふれた苗字、ありふれた名前の人ならば、同姓同名の人がいてもおかしくないと思う。
けれど、そうありふれた苗字ではないのに、私の同姓同名さんがいる。

もうかなり前になるけれども、ある日、本屋でつらつら本を眺めていたら、突然自分の名前が目に入った。
本を書いたことも、出版した覚えもなかったその頃。
でも、名前の漢字や、ご丁寧に振ってあった読み方までもが、まぎれもなく自分の名前だった。
真っ赤な背表紙のその本を、しばし茫然と眺めた後、気がついたらレジでその本の代金を払っていた。

しばらくして、インターネットが普及した頃に、Yahooで自分の名前を検索してみた。
かなりの数のヒットがあって、そのうちの多くはその同姓同名の人が書いた本のデータだった。

そして、すっかりインターネットが普及した現在。
ふと、自分の名前でGoogle検索してみたら、おそろしく沢山ヒットした。
最初の50件ほどを、中身で仕分けしてみたら、自分とその本の著者以外に、少なく見積もっても2人はヒットしているようだ。
どこぞの地方のスポーツ大会で入賞した人と、どこぞの音大生でどこぞのコンクールで入賞したらしい人と…。

世の中には、思いの外、「同性同名」さんは沢山いるらしい。

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