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オリンピック 男子シングルが終わって...

男子シングルが終わって、一夜明けた。
今回の目玉は、何と言っても「4回転を跳ぶかどうか」だった。
プルシェンコが「4回転を跳ばなければ男子シングルの発展はない」と言って、復帰してきたからだ。
そして、確かにプルシェンコは4回転を跳んで表彰台に乗った。
でも、優勝できなかった。そして「4回転を跳ばなくても勝てる判定はおかしい」と発言した。

スケートは、ジャンプだけではない。
エヴァンが言っていたように、ジャンプだけを競うのならば、10秒でいい。4分30秒は要らない。今の男子シングル・フリーは、4分30秒の中で様々な技をこなす、総合的なスケート技術力の高さと体力を競っているのではないだろうか。
世界選手権で4回転を跳ばなかった選手に負ける度に、ジュベールがプルシェンコと同じような発言をしていた。
でも、このような発言を聞く度に思う。
負けて言うのでは、「負け犬の遠吠え」にすぎない。勝って言ってこそ、発言に価値がある。

よれよれの着地のジャンプ、バリエーションの少ないスピン。でも、テクニックはすごいだろう、どうだ、どうだと押してくるようなプルシェンコのプログラムを見ていて、プルシェンコに優勝させてはいけないと思ってしまった。
4年間、日々、プログラムを手直ししながら、明日はスピンの新しい姿勢を試してみよう、その次は新しいステップのパターンを入れてみよう、同じジャンプを跳ぶならばステップと組み合わせて難度の高い跳び方をしてみよう、ジャンプはただ降りるだけではなくてできるだけクリーンに降りよう、と精進してきた他の選手に対して、失礼だと思った。
スピンもステップも、決してジャンプよりも劣る技ではない。第一、ジャンプで全てが決まるのならば、エヴァンが言うように、4分30秒は要らない。
そういう意味で、すべての要素を評価対象にする今の採点方式は合理的だと、私は思う。

4回転ジャンプは失敗したけど、高橋くんの演技は見事だった。
ステップも見事だったけれども、3回転ジャンプも以前のようにクリーンに降りるようになっていて、よかった。
日本男子がメダルをとったことが素直に嬉しい。

織田くんのエキシビが見られないのが残念。
でも、「4年後をめざしてがんばりたい」との前向きな言葉が嬉しかったし、アクシデントで気が動転していただろうに、フリーを滑り終えた時に、観客(応援してくれた人たち)に「ありがとうございました」と言ったのが、嬉しかった。
今回は、それで十分。織田くんを応援してきてよかった。一生忘れられないオリンピックになりそう。
織田くんが前を向いて頑張っている限り、なるべく近くで応援したいと、改めて思ってしまった。

何故か、すでに「終わった」感があるのだけれど、オリンピックはまだあと一週間ある。
気持ちを切り替えて、残りの期間を楽しもう。

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