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トキ

3羽目のトキが本州側に。
トキが右へ行ったといえば右に、左に行ったといえば左に、みんな忙しい。
ものみ高い人はどこにもいるけれども、野生の鳥の「追っかけ」には、どうかと思う。
動物園やトキ保護センターのおりの中で飼われている動物は、そういう環境の中で生きているので、見られることにも人間に世話されることにも慣れていると思うが、相手は野に放たれた生き物だ。
野に戻されたものは、自然の掟、自然の環境にゆだねるべきではないかと思う。
「野生」での繁殖の見込みが薄くなったから、本州側にいる3羽を捕らえて佐渡に戻すべき、という意見があるようだけれども、それでは本当の意味での「野生に戻す」ということには、ならないのではないか。
そんなことをしていては、いつまでたっても、自力での繁殖は難しいのではないだろうか。

それにしても。
トキが一時訪れた、長野の村長さんの発言には腹が立った。
「ずっといてくれるのなら、どこかからオスをつれてこようかな」
どこかから、などと・・・国内では、佐渡以外のどこにオスのトキがいるというのか。
訪れたメスを、佐渡にいるオスたちのところに連れ戻してあげるというのならばともかくとして。
繁殖や放鳥に向けての環境づくりに長年努力してきた佐渡の人たちは、あの、舞い上がってしまったがゆえの無神経な発言を、どのような気持ちで聞いたのだろう。

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