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織田くんのこと

一夜寝て起きても、残念ながら「悪い夢」ではなかったという、この現実。
ただ、新聞その他の報道から、ことの詳細がわかってきた。
不運な「たまたま」な要因が重なってしまい、そのための一瞬の「安易な判断」の結果・・・それが一番真実に近いことなのではないかと思う。

競技と学業の両立など、悩みをきいてもらいながら、サウナと夕食を楽しみ、その際「ついでに一杯」というのは、普通の人でもよくあること。
帰りは、夜10時に電車に乗り、そのまま普通だったら、高槻駅で下車して、お母さんに車で迎えに来てもらうハズだった。
ところが、予定が狂ってしまったのはここからで、電車で寝ていたため乗り過ごし、高槻駅に戻ってきたのは深夜を大きくまわった時間。
しかも、たまたま家に携帯電話を置き忘れていたこともあり、また、深夜に親を起こすのもはばかかられ、だけれども、徒歩で帰るには1時間ほどかかる。
飲酒してから2時間半は経っているし、酔いはほとんど醒めたし、駅近くの駐車場にとめてある自分のバイクで帰ってもいいんじゃないか・・・?
駐車場から50mほど走って市道に出たところで、取締り中のおまわりさんにとめられて、検挙されてしまった・・・。

とまあ、おおむねそんなかんじだったらしい。
一瞬の安易な判断は、車の免許を持っている社会人としての自覚が足りないと言えるけれども、普段あまりお酒を飲まない人が、飲酒後2~3時間くらいでは、完全にアルコールは抜けきっていないので、車を運転したら「飲酒運転」になってしまうということを知っていたかどうか。
現に、私は知らなかった。
免許の講習会で聞いたような気もするけれど、お酒を飲む機会が少なかったり、ほとんどなかったりしたら、聞く時の真剣度も少し低くなってしまうのは、無理もないことだと思う。
それに、一緒に飲んでいたという部の顧問の先生だって、バイクに乗ることを止めようがなかっただろうと思う。
だって、織田くん自身だって予定外の行動だっただろうから、よしんば別れ際に帰りの交通手段を聞かれたとしても、「電車で高槻駅まで行って、そこから親に迎えに来てもらって車で帰ります」と答えていただろうし。
そういうわけで、やってしまったことは悪いことだけれども、気持ち的には織田くんや一緒に飲んでいた先生や職員の方には同情してしまうし、気の毒だと思う。

織田くん本人の普段の姿を知っている人は、記者も含めて、織田くんは非常に自己管理のきちんとした子だということを知っているので、あまりひどいことは言ったり書いたりしていないけれども、あまり知らない人は、「飲酒運転」と聞いただけで、悪いイメージを持ってしまうらしく、非常に厳しいコメントをしているのを聞いていると、胸が痛い。
織田くん自身が、ほとんど弁明らしい弁明はせず、「悪いことをした」と言っていることも、本人を少しでも知っている人は好感を覚えるけれども、知らない人には情状酌量の余地がないように聞こえるらしい。
でも、辛口コメントをする人たちに、私は言いたい。
罰は、同じ罪を二度と犯さないために与えるものであって、その人の更生の機会を奪うものではない。
「厳しい処分を」と言うけれども、「厳しすぎる処分」は織田くんの将来のためにはならないし、「見せしめ」以外の何ものでもなくなってしまうということを。
そして、辛口コメントをしている人たちが考えているだろう「厳しい処分」は、おそらく、必要以上に「厳しすぎる処分」であり、織田くんの選手生命や人生をダメにしてしまう危険性をはらんだ「処分」であることを。

スケート連盟の下す「処分」が、重過ぎないことを、心から願うし、一日もはやく織田くんがリンクに戻ってくるのを待っている。

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