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Carnival on ice(後半)

昨日は眠くて書くのをギブアップしたCarnival on iceの続き。

途中に整氷時間をはさんで、後半のプログラム。
織田くんの演技は後半の最初の方。
最初、音楽は間違ってかかって、かけ直してもらう一幕もあったけれど、なんとか正しい音楽がかかって、無事演技開始。
数年前のSPだった「ニューシネマパラダイス」の進化したバージョン。
ジュニア用プログラムの手直しバージョンなので、やはりシニア用のプログラムのようにスキのないプログラム構成というわけにはいかないところがあったけれど、シットスピンのポジションのバリエーションに、今まで見たことがないものが増えていて、ちょっと変形バージョンだけどとてもきれいだったので、観客から拍手をもらっていた。
スピンの回るスピードも、年々速くなってきているので、来年の織田くんの活躍が、また楽しみ。
それから、来年はラテンに挑戦したいようだけれども、実際に滑ってみたら、けっこう高橋くんとは違ったタイプの情熱的なプログラムを滑るかもしれないと思った。
おそらく同じプログラムを滑っても、高橋くんのは「パッション」という言葉が似合うような、熱く叩きつけるような「情熱」になり、織田くんのはもっとノーブルで内から湧き出るような「情熱」になるのだろうと、そんな感じがした。

驚くことに、ジェフがこの公演の2回目の演技を行った。
キム・ヨナが体調不良のため欠場した代わりに登場ということだったが、「男気あふれる」と場内アナウンスで紹介され、驚いたことにパンクな男になってのご登場。
バリバリのロックナンバーを、バッチリ決めて・・・いやぁ、ジェフがこんな風にロックナンバーを滑るとは思ってもいなかった!
これが、前半に思いっきりクラッシックな雰囲気の曲をノーブルに滑った人と同一人物とは、とても思えなかった。
音を表現するのに長けているジェフのことなので、ロックもロックらしく、思いっきりワルに滑って・・・こんなものが見れて、すごく得した気分。

アレクセイ・ヤグディンは、プロ転向の原因になった脚の負傷は、完全に克服したよう。
さすがに、往年のようなスーパージャンプはしなかったけれど、ジャンプの高さとダイナミックさはさすがだったし、すべてのエレメンツがすばらしかった。
そして。
ステップは相変わらず見事で、プログラム最後のストレートラインステップは圧巻だった。
今の高橋くんでも、まだまだ勝てないだろう。
これは、芸術だと思った。

中国の申雪・趙宏博ペアの演技は、見事で綺麗だった。
NHK杯の常連になり始めた頃から、技術はピカ一だったけれど、このペアがこんなにエレガントで胸が痛くなるほど愛にあふれた演技をするようになるとは、想像もつかなかった。
すばらしい成長、見事な有終の美だと思う。

ジュベールは、とてもクラッシックでエレガントなプログラムと、いつもの技術を前面に出したプログラムの、全く違う2つジャンルのプログラムを続けて滑ったが、どちらも見事にこなしていて、世界トップレベルというのは、こういうことなのだと感心した。
世界選手権での金メダリストにはアンコールがあったけれど、アンコールで丸々1曲を滑ったのはジュベールだけだった。

そして、トリは安藤さんだった。

フィナーレは、入場の際に配られた、使いきりの青白いペンライトを観客が全員つけたので、広い広いさいたまスーパーアリーナの中が星くずで埋め尽くされたようで、とても綺麗だった。

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