« 世界選手権男子シングル・SP&ペア・フリー | トップページ | 世界選手権 女子シングルSP&アイスダンスフリー »

世界選手権男子フリー&アイスダンス・オリジナルダンス

今日はいよいよ男子フリー。
仕事はむりくり休みをとって、堂々とリンクで観戦。

昨日のSPの上位24人だけが進めるフリー。
織田くんが第2グループというのがちょっとヘンな感じがした。
結果的には、この第2グループの中で、2番目に滑走したスウェーデンのクリストファー・ベルンソンくんが、織田くんよりも先に良い結果を出した。
昨日のSPで、いろんな電話があちこちで鳴り、「ギャー」という悲鳴とともに始まるコミカルなプログラムで観客の目を釘付けにしたベルンソンくん。
今日もリズミカルな音楽で観客を見方につけると、ノリにノッて次々ジャンプを決める。
140点台が出たので、ちょっと焦る織田くんファンの私。

第2グループ最後の滑走者として、織田くんが登場。
すごい歓声に迎えられる。
落ち着いて滑り出して、出だしの3アクセルー3トゥループー3ループの3コンビジャンプが決まると、嵐のような拍手と歓声が起こる。
ちょっと最後のループジャンプの回転が足りていなかったけれど。
あとは、初めてのプログラムとは思えないほど落ち着いて次々とジャンプを決めて、無難に滑り終えた。
140点台を出して、とりあえず暫定1位に。
ウワサの4ルッツジャンプは挑戦しなかったし、またザヤックルールにひっかかって、ノーカウントになってしまったジャンプがあったみたいだけれど、昨日失敗した3アクセルジャンプをしっかりと跳んでいたあたりが、心がしっかりした織田くんらしい。

第3グループは、グループ最終滑走者のトマシュ・ベルネル以外の人の点数が織田くんよりも低かったので、最終グループを残した段階で織田くんの8位以内が確定。
14位から始まったのだから、本当によくやったよ。
これで、高橋くんが5位以内に入れば、来年の日本男子の枠は3枠になる。

最終グループは、みんなつわものぞろいで、いろいろ見せ場も多かったし、見ごたえもあったけれど、中でもすごかったのは、ランビエールの時だった。
4回転を2回跳び、ミスもあったけれど、すべてのエレメンツが圧巻だった。
そして、高橋くん。
ホームの利というのだろうか。
とにかく、高橋くんの一つ一つの動きに観客が反応する。
今日の高橋くんはとにかく落ち着いていて、最初の4トゥループから、次々とジャンプを決めていく。
そして、最後のジャンプを跳び終わった段階で、誰もが高橋くんのメダルを確信。
ストレートラインステップに入る前に、大歓声が沸き起こる。
観客の手拍子に後押しされるように、高橋くんが力強くステップを踏む。
結果はフリー単独で堂々の1位、総合で銀メダル。
その場に居合わせた観客の一人として、それはとても感動的な瞬間だった。

高橋くんの次に滑走したカナダのジェフは、残念ながらジャンプミスがひびいて6位まで順位を下げた。

高橋くんのことは、私が書かなくても、書く人がいっぱいいるだろうから、私はこれ以上書かずに、織田くんのことをちょっと書いておこうと思う。
今シーズンを通して、織田くんは成績としては高橋くんに負けっぱなしだったけれど、去年よりも、すごく成長していると思うし、みんなが「壁にあたった」というけれど、それは去年の飛躍幅をもってきて考えるからであって、この一年間で織田くんのプログラムは見違えるように大人になったし、ステップも別人のように上手くなったので、私は来年の織田くんに期待している。
まだまだ上手になれる要素が沢山あるので、成長が楽しみ。

男子シングルの前にはアイスダンスのオリジナルダンスがあった。
今年のオリジナルダンスのテーマは「タンゴ」。
おかげで、30通りものタンゴを見せてもらった。
総括しての感想を述べると、「オリジナルダンス」で踊る時は、その曲らしく踊ってもらいたいということ。
何組か、曲は確かにタンゴを使っているけれど、それはタンゴではないんじゃない?という踊り方をしていたカップルがあった。
フリーはどんな曲を選んでも、どう踊ってもかまわないので、タンゴの曲でワルツを踊ろうがジルバを踊ろうが、それがヘンでなければ何も言わないけれど、オリジナルダンスはまだ「規定」に沿って踊る必要があるはずなので、どんなに他のカップルに似ていようが、ちゃんとタンゴをやるべきだと思う。
上位入賞しそうなカップルは、さすがにきちんと「タンゴ」を滑っていたので、やはりそこらへんが実力の違いなのだと思った。
世界トップレベルの争いになると、ヘタな小細工はきかないのだ。

|

« 世界選手権男子シングル・SP&ペア・フリー | トップページ | 世界選手権 女子シングルSP&アイスダンスフリー »