All Japan メダリスト・オン・アイス
大阪のなみはやドームまで、All Japan メダリスト・オン・アイスを見に行ってきた。
昨日まで名古屋で開催されていた全日本選手権のエキシビと、これから四大陸選手権とジュニア・シニアの世界選手権に派遣される選手の壮行エキシビを兼ねたもので、ショーの要素が強いので、ジャンプで転んだらどうしようとか、上手く滑れなかったらどうしようといった心配は、あまりしなくてすむのがいい。
昼の部と夜の部があって、私が行ったのは昼の部。
開場が遅れて、開場時間からしばらくたってから会場に着いたはずなのに、まだ入場が始まっていなくて、会場前は長蛇の列。
昼ごはんがまだで、おなかがすいていたので、会場前の屋台でたこやきを買って食べた。
(↑やはり、大阪と言ったらコレでしょう。笑)
13時開演で、オーケストラの生演奏と岡本知高の歌声でオープニング。
最初はジュニアの子から。
みんな上手で、あらためて今の日本選手の層の厚さを感じた。
ジュニアの子の後は、シニアで四大陸選手権に行く選手の演技があった。
このグループで、場内が一番沸いたのはやはり、神崎くんの「冬ソナ」だったと思う。
前にも他の大会のエキシビで滑ったことのある演目で、雑誌の記事で目にして、一度見たいと思っていたので、嬉しい。
セーター、ゆったりしたジーンズ、マフラーの上にロングコートをざっくりと着て、小さな雪だるま(←ハリボテ?)を片手に、「冬ソナ」の「初めて」にのって、ゆっくりと滑りはじめ、雪だるまを下に置き、コートとメガネを脱いで、なんと3アクセル!
曲は途中で「冬ソナ」のテーマの「最初から今まで」に変わり、曲の雰囲気にあわせて最後までゆったりと滑りきって・・・いやはや、なんともタイムリーでショー向けのプログラムだった。
滑り終わった時、氷の上に置いてあった雪だるまを取り上げ、すすすーっと正面のアリーナ席へ。
そこに座っていた年配の女性に、その雪だるまをプレゼント。
なんとも、心ニクイ演出だった。
観客(ファン)の方も心得たもので、退場する時に、「のりサマ~!」との黄色い声が(笑)。
整氷時間が間に入って、第2部。
第2部からは、オーケストラの生演奏が主になった。
最初の滑走者は本田武史。
期待通り、「アランフェス」。
ちょっと、ショーバージョンになっていて、アマチュアの時に私が大好きだった、ラストのアクセルからのイーグルと、中盤のスプレットイーグルからの3アクセルジャンプはなかったけれど、豪快で切れのいい、けれどどこか繊細な武史の4トゥループ、美しい傾斜で流れるスプレットイーグルを見れて、とても幸せ気分。
でも、あらためて思ったのは、武史は旧ジャッジシステムの選手だったんだなぁ、ということ。
次に村主さんが登場。とてもとても、美しくて、ため息のでるような「ボレロ」。
この後、世界選手権に出場する選手が次々出てくる。
渡辺&木戸組は、ウィンナ・ワルツにのって、とても楽しそうで息のあったダンスを見せてくれた。
中野さんは、ため息が出るくらい美しく、今年のエキシビナンバーを滑った後、アンコールに応えて、去年のエキシビナンバー「アメージンググレース」にのって再登場。
いつまで回り続けるんだろう?と心配になるくらい長い長いドーナツスピンがすごかった。
安藤さんは、昨日肩を痛めたため、第2部の最初に挨拶しただけで、滑走はなし。
織田くんは、驚いたことに、「フィガロ」のコスチュームで登場。
去年と比べると、上半身に筋肉がついているので、同じ演技をしていても、なんとなく雰囲気が違う。
やはりアクセルジャンプが絶不調中らしく、今日の3アクセルジャンプも軸がぶれ、着地がアヤシゲだったけれど、きれいで音のないスケーティング、ステップからの流れるような3フリップジャンプ、変幻自在なスピンは健在で、とても魅力的なスケーターだと思う。
続いて、高橋くん。
初めて高橋くんを見たのは、まだ武史が第一線で活躍している時で、優秀なジュニア選手ということで特別にシニアの大会のエキシビで滑らせてもらって、その時はまだごく普通の「少年」だったのに、いつの間にこんなラテンな雰囲気の曲が似合う「大人」になったのかと、感慨深いものがあった。
ジャンプがどーの、とか、ステップがどーの、とか、スピンがどーの、という問題ではなく、ただ滑っているだけでラテンな雰囲気の曲がとてもよくお似合い。
アマチュア選手のトリは真央ちゃん。
どうしても3アクセルの話題ばかり取り上げられるけれど、今シーズンの真央ちゃんは、すべてのエレメンツでグレードアップしたと思う。
スケーティング、スピン、ステップなどなど。
演技も、去年に比べると一段大人びてきたし。
そして、本当の意味での大トリは、荒川さんの「トゥーランドット」。
もちろん、ショーバージョンなので、ジャンプが少なくて、スパイラルやスピンが主になっていた上、ラストはお約束のレイバック版の「イナバウワー」だったけれど、実にキレイだった。
フィナーレは、チームの神宮アイスメッセンジャーズ以外は、男女2人一組で出てきて、挨拶。
ただ一緒に出てきて挨拶して・・・というのが大方だったけれど、神崎くんが澤田亜紀ちゃんと手をつないで出てきたのを見た時は微笑ましかった。
そして、びっくりしたのは、織田くん&中野さんの時で、ペア・スケーティングを披露。
もちろん、本物のペアではないので、即席の演出だろうけれど・・・それでもけっこうサマになっていて、ビックリ。
後で、曲にのって全員が中央に集合した時に、織田くんが中野さんの手をとって空いたスペースに滑っていくので、何をするのかと思っていたら、なんと、スローイングアクセルジャンプ!
シングルアクセルジャンプだったけれど、無事きれいに着氷。
ぶっつけ本番で出来る技ではないし、二人ともシングルの選手だから、ペアの技なんて知るわけないし・・・それとも、ちょびっとは練習したことはあるのかな?
中野さんは小柄だから、並んで立った時のバランスは悪くなかったけれど、織田くんの身長が身長だから、リフトの見栄えの問題があるので、このペアが試合用に実現することはないだろう・・・。
けれど、こういうエキシビもいいなぁ、また見たいなぁ、と思いながら見てしまった。
明日のフジテレビで放送されるかどうかはわからないけれど、いやぁ、すごいものを見てしまった!
<追記>
31日のフジテレビの放送を見たら、放送に使われたのは夜の部の方だった。
図らずも、両方を見れたことになり、ちょっとおトク感が(笑)。
もしかして、あの「即席ペア」を見れたのって、昼の部に行った人だけ?
ますます、おトク感があったりして(大笑)。
夜の部は、テレビの収録のためか、昼の部よりもさらにショー・アップされていたようで、アイスショーがお好きな人は夜の部、アマチュアの試合のエキシビを見るのが好きな人は昼の部に行った方がよかったよう。
夜の部の織田くんは、ノリノリで、3アクセルジャンプもきれいに跳び、きれいに着氷し、すべての心配が吹き飛んだ気分。よかった~。
高橋くんの滑走後に、高橋くんと織田くん、そろってインタビューをうけ、番組のゲストがタッキー&翼だったので、タッキーが「スケート界のタッキー&翼って言われたりしません?」なんて質問したのに対して、織田くんがケロリとした顔で「よく言われます」・・・なんて答えていた。そんなわけないのに。
横できいていた高橋くんが破顔一笑して、インタビューは楽しい雰囲気で終わり、あらためて織田くんの機転と感性に脱帽、という感じだった。
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